書籍タイトル
成瀬は天下を取りにいく
著者
宮島未奈
出版社
新潮社
発売日
2023年3月17日
この本の要約
『成瀬は天下を取りにいく』は、個性的で情熱的な中学生の成瀬あかりが、周囲に影響を与えながら成長していく青春小説です。彼女はお笑いの世界を目指し、日々新しい挑戦を繰り広げます。物語は、成瀬が自分らしく生きる姿を描きながら、彼女の影響を受ける友人たちとの絆や、成瀬自身の変化を探ります。
第1章: 膳所から来ました
成瀬あかりは、「お笑いの頂点を目指す」と宣言し、幼馴染の島崎みゆきとともに漫才コンビ「ゼゼカラ」を結成します。彼女のエネルギーは周囲を圧倒し、彼女の大胆な行動が次第に学校中に広まっていきます。この章では、成瀬の独特なキャラクターと、その挑戦に対する友人たちの反応が描かれます。
第2章: 階段は走らない
大阪のWeb制作会社に勤める稲枝敬太が主人公となり、成瀬との再会が描かれます。閉店間際の西武大津店で、彼は旧友たちと偶然出会い、過去の思い出を共有します。この章では、懐かしさやコロナ禍の影響が描かれ、過去と現在が交錯する中で、成瀬の存在感が際立ちます。
第3章: 線がつながる
高校に進学した成瀬は、突如として坊主頭になって登場し、周囲を驚かせます。クラスメートの大貫かえでとの対立や友情が描かれ、成瀬のユニークさがさらに深まっていきます。この章では、成瀬の自分らしさを貫く姿勢が描かれ、彼女が周囲に与える影響が大きくなります。
第4章: レッツゴーミシガン
西浦航一郎という高校生が、成瀬に一目惚れし、彼女とのデートを実現します。琵琶湖の観光船ミシガンでのデートを通じて、青春の甘酸っぱい瞬間が描かれます。恋愛要素が控えめに描かれており、成瀬の自然体の魅力が引き立っています。
全体を通して
『成瀬は天下を取りにいく』は、成瀬あかりの型破りな生き方を描いた青春小説であり、彼女の自由でエネルギッシュな性格が物語の中心です。成瀬の影響力は周囲の人々に変化をもたらし、彼らが自分の本来の欲望や感情を解放していく様子が鮮やかに描かれています。
商品URL
本の評価
4.7/5
レビュー
この本はコロナ禍の背景もありつつ、普遍的な友情や成長を描いています。成瀬の個性がストーリー全体を引っ張り、最後まで楽しめました。
この本は、成瀬あかりというキャラクターが中心で、彼女の前向きな姿勢が印象的です。個性的で自分らしさを貫く彼女の姿に勇気をもらえました。
物語の進行はテンポが良く、各章で描かれるエピソードが成瀬のキャラクターをより深く理解させてくれます。特に坊主頭のエピソードは予想外で面白かったです。
成瀬と友人たちとの関わりが描かれており、それぞれが彼女に影響を受けて変わっていく様子が興味深かったです。青春の甘酸っぱさが詰まった作品です。
全体を通じて、成瀬の自由奔放な生き方が描かれており、彼女の強さと純粋さが非常に魅力的です。読後感も爽やかで、心に残る物語でした