書籍タイトル
この平坦な道を僕はまっすぐ歩けない
著者
岩井勇気
出版社
新潮社
発売日
2024年7月31日
この本の要約
『この平坦な道を僕はまっすぐ歩けない』は、岩井さんの日常を独特の視点で切り取ったエッセイ集です。30代の独身男性としての一人暮らしや趣味、仕事の失敗、思いつきで行動するさまが描かれ、平凡な日常の中でどこか共感できるエピソードが多数収録されています。日常に潜む小さな笑いや、ふとした驚きが物語に散りばめられ、読者はそのシンプルながらも深い魅力に惹きつけられるでしょう。
第1章:ほどよい店で考える
気軽に通える「ほどよい店」をテーマに、日常の心地よさを再発見するエピソードです。
第2章:『許す』をテーマに生活してみたら
人生において寛容さを大切にしてみた岩井さんの考えが描かれており、許しの難しさとそれにまつわる葛藤が描かれています。
第3章:ナタデココだけは絶対に持っていく
細やかなこだわりが笑いを誘いながら描かれており、シンプルながらもユニークな視点が楽しめます。
第4章:初めてのサイン会に行ってみた
自身のサイン会での体験を通じて、ファンとの距離感や緊張が面白く描かれています。
第5章:高校生の僕と加藤ともえたん
高校時代の友人との思い出が描かれており、若い頃の一歩引いた視点や内向的な性格が垣間見えます。
第6章:墓場から侵入する蟻との闘い
家の中に出現する蟻との攻防戦が描かれ、日常のささいなトラブルをコミカルに表現しています。
第7章:歯医者をハシゴする
歯医者での経験やそこで感じた違和感が描かれており、身近にある恐怖心や不安がリアルに伝わってきます。
第8章:行きつけの美容院で違和感を積み重ねる
美容院での小さな出来事が積み重なる違和感にフォーカスした章で、日常に潜む不安が軽妙に描かれています。
第9章:自転車をめぐる僕の冒険
自転車を通して、彼が体験した小さな冒険や発見がユーモラスに綴られています。
第10章:異常なゲームにハマり続けている
昔懐かしいゲームに夢中になる自分自身を描き、ゲームの世界への愛着が感じられるエピソードです。
第11章:マンションの隣人は選べない
マンションでの隣人問題をテーマに、コミュニケーションの難しさが描かれています。
第12章:遅刻時の完璧な過ごしかた
予期しない遅刻をいかにして楽しむかが描かれ、ユーモラスなアイディアが詰まっています。
第13章:いまのところ続いている趣味について
趣味に取り組む姿勢や、日常で得られるささやかな楽しみが描かれています。
第14章:欲望に素直過ぎる同期に振り回される
仕事の同期とのやり取りを通して、他人との温度差がコミカルに表現されています。
第15章:ハードな鍼治療からの生還
鍼治療での苦労や体験が描かれており、日常における体験が具体的に表現されています。
第16章:『オペラ座の怪人』の怪人にあきれてしまう
劇場での体験が語られ、作品を観た感想が岩井さんならではの視点で描かれています。
第17章:プラネタリウムで味わう特別な感覚
プラネタリウムを訪れた際の静かな感動や、幻想的な体験が表現されています。
第18章:旅行前夜の悲劇に打ち勝つ
旅行準備での不測の事態を乗り越えるエピソードがコミカルに綴られています。
第19章:思いつきで函館に行こうとしたら、失敗した
衝動的な行動とその失敗を通して、日常の予期せぬ面白さが描かれています。
第20章:脳がクラッシュする、謎のパーティに呼ばれた
非日常的なパーティに参加した際の驚きと困惑がコミカルに描かれています。
第21章:あの時見た三島へ、ついに足を踏み入れる
過去の記憶を辿る旅が描かれ、故郷への懐かしさが伝わってきます。
第22章:憧れの監督の最新映画を観て考察したこと
映画を鑑賞した後の感想が、自身の考察と共に綴られています。
第23章:ドライヘッドスパの存在意義に触れる
ドライヘッドスパでの経験とその存在意義が、独特の視点で語られています。
第24章:20年前に友達に借りたゲームソフトで遊びたい
古いゲームへの思い入れが描かれ、懐かしい感情が伝わってきます。
全体を通して
岩井さんのエッセイは、日常の些細な瞬間を通して人生をユーモアに富んだ視点から捉えています。どこか誰でも経験しそうな出来事を独自のフィルターを通して描くことで、読み手は自分自身の経験に重ね合わせ、笑いと共に心が和らぐ瞬間を味わえるでしょう。
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本書の評価
評価: ★★★★☆4.5/5
レビュー
ユーモアあふれる日常エッセイで、読んでいて心が温まりました。
岩井さんの視点が面白く、共感しながらも笑いが止まりませんでした。
些細な出来事をここまで面白く表現できるのはさすが。
飾らない表現で、親しみやすさがあり、あっという間に読めました。
日常の小さなエピソードに潜む面白さを教えてくれる良書です。
まとめ
『この平坦な道を僕はまっすぐ歩けない』は、特別ではない日常のエピソードが持つ「面白さ」を再発見させてくれる一冊です。岩井さんのユーモア溢れる視点は、日常に少しの笑いと共感を与えてくれるでしょう。