書籍タイトル
それでも母親になるべきですか
著者
ペギー・オドネル・ヘフィントン
出版社
新潮社
発売日
2023年11月22日
この本の要約
『それでも母親になるべきですか』は、社会が女性に求める「母親像」に対して、歴史的背景や現代の状況を分析しながら、母親になる選択について多角的に問いかける本です。著者ペギー・オドネル・ヘフィントンは、産業革命から現代に至るまで、女性がどのようにして「母親」になるべきかというプレッシャーを受けてきたのか、その影響を歴史的視点で振り返り、女性が子どもを持たない選択も尊重されるべきだと強調します
第1章: 母親像の歴史的背景
初期アメリカや日本の伝統的家庭における母親像の形成過程を振り返り、過去における女性の役割と子育ての責任について説明します。母親一人が育児を担うという考えがどのように形成され、現代の核家族の中でその責任が強まってきたかを解説。
第2章: 産業革命と家庭の変容
産業革命後、家庭や育児の概念がどのように変化したのかを追い、母親の役割が拡大し、特に都市化と核家族化によって母親が背負う負担が重くなってきたことを説明します。働く母親への社会的な圧力とその背景を掘り下げます。
第3章: 女性の選択肢と現代社会
子供を持つか持たないかという選択肢が、現代においてどのように複雑化しているかを論じます。経済的要因や環境問題、体外受精などの医療技術の進展が、女性の人生にどのように影響しているかも触れています。
第4章: 社会的プレッシャーと個人の自由
女性が「母親であるべき」という社会的プレッシャーに直面する一方で、子どもを持たない人生の選択肢も重要であることを強調。どちらの選択も個人の価値観によって正当化されるべきだと論じます。
全体を通して
この本は、母親になることの社会的なプレッシャーに対して疑問を投げかける一方で、子どもを持たない選択が決して「不自然」ではないことを明確にしています。母親になるかどうかは、個人の価値観やライフスタイルに応じて選ばれるべきであり、どちらの選択も社会的に正当化される必要があるという視点が新鮮です。また、環境問題や経済的な不安が女性の選択に与える影響にも触れており、現代的な視点からの問題提起がされています。
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本書の評価
評価: ★★★★☆(4.5/5)
レビュー
この本は単なる現代社会の問題提起にとどまらず、歴史的な観点から母親像がどう変わってきたかを詳細に説明しており、非常に知識深い内容です。
母親であるか否かに関係なく、すべての女性が自分らしく生きる権利を持っているというメッセージに大いに共感しました。
今まで「母親になるのが当然」という社会的なプレッシャーを感じてきた私にとって、非常に救われる内容でした。
仕事と家庭のバランスが取りづらい現代において、母親であることの意味を再考させてくれる一冊です。
環境問題が子どもを持つかどうかの選択にも影響を与えるという視点は斬新で、現代的な問題にも深く関連している点が興味深かったです。
まとめ
『それでも母親になるべきですか』は、母親という役割を社会的に強制されがちな女性たちに新たな視点を提供する重要な一冊です。過去から現在に至るまでの母親像の変化や、現代における育児のプレッシャーを詳しく探求しつつ、子どもを持たない選択肢も肯定するメッセージが印象的です。母親になるかどうかに悩む女性にとって、この本は力強いサポートとなるでしょう。