書籍タイトル
いなくなくならなくならないで
著者
向坂くじら
出版社
河出書房新社
発売日
2024年7月12日
この本の要約
『いなくなくならなくならないで』は、向坂くじらのデビュー作であり、芥川賞候補にもなった衝撃作です。この物語は、主人公・時子と死んだはずの親友・朝日の不思議な再会を描いています。時子が突然受けた朝日からの電話に驚き、彼女が「住所がない」と語る謎を追いかける形で物語が展開していきます。朝日は時子の家に住み着き、日常と幻想が入り混じる世界で二人の関係が再び動き出す。読者は、友情と存在の曖昧さについての問いを投げかけられ、現実と非現実の境界が揺らぐ独特の雰囲気に引き込まれます。
第1章: 電話の向こうから
物語の冒頭で、時子は死んだはずの親友・朝日からの突然の電話を受けます。彼女はその電話に驚きつつも、どこかで再会を望んでいたことを感じさせる展開です。ここでは、時子の心情や朝日の謎が明かされ始めます。
第2章: 住み着く朝日
朝日は「住所がない」と言い、時子の家に住み始めます。この章では、日常生活の中に突然入り込んだ非日常の出来事が、二人の関係性に影響を与える様子が描かれます。
第3章: 過去と向き合う時子
朝日との再会を通じて、時子は過去に向き合うことになります。この章では、二人の友情や、時子が抱えてきた後悔や悲しみが明らかになります。
第4章: 境界の曖昧さ
物語は、現実と非現実の境界が曖昧になり、朝日が本当に「存在している」のかという疑問が浮かび上がります。この章では、時子の混乱や、彼女の心の内が深く掘り下げられます。
全体を通して
『いなくなくならなくならないで』は、死と再会、友情の複雑さ、存在の曖昧さをテーマにした独特な小説です。向坂くじらの詩的な筆致で描かれた世界は、読者を幻想的な雰囲気に包み込みます。時子と朝日の再会を通じて、現実と幻想の間を揺れ動く物語が展開され、読者は深い思索に誘われるでしょう。
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本の評価
4.6 / 5
レビュー
時子と朝日の不思議な関係に引き込まれました。独特の雰囲気と詩的な描写が素晴らしいです。
現実と非現実が入り混じる展開に驚かされ、読後に余韻が残りました。とても美しい物語です。
向坂くじらの初小説とは思えないほどの完成度で、感情の機微が巧みに描かれています。
朝日が本当に「いるのか」という問いが、物語の中で大きく響きます。非常に深いテーマを持った作品です。
幻想的で美しい物語。朝日というキャラクターがとても魅力的で、ずっと心に残ります。
まとめ
『いなくなくならなくならないで』は、幻想と現実が交錯する独特な物語であり、死んだはずの親友との再会を通じて、友情や存在の曖昧さについて深く考えさせられます。向坂くじらの美しい文章と不思議な世界観が、多くの読者を魅了すること間違いありません。