書籍タイトル
少女マクベス
著者
降田天
出版社
双葉社
発売日
2024年8月28日
この本の要約
『少女マクベス』は、全寮制の女子演劇学校を舞台に繰り広げられる学園ミステリーです。物語の中心となるのは、劇作家を志す結城さやかと、学内一の天才と称された設楽了。了は自分の手がける舞台の上演中に謎の死を遂げます。この事件をきっかけに、学校内の緊張感が高まり、周囲の生徒たちの嫉妬や羨望、隠された秘密が浮き彫りになっていきます。さやかは、了の死の真相を探りながら、自身も舞台の世界で成長していく姿が描かれます。物語は多くの伏線が張り巡らされ、真実に迫る過程がスリリングです。
第1章: 才能の代償
設楽了が天才と呼ばれるまでの過程が描かれ、彼女の圧倒的な才能とそれに対する周囲の嫉妬や崇拝が生々しく描写されます。さやかは、了との出会いを通じて、舞台の世界にのめり込んでいきます。
第2章: 舞台上の悲劇
物語の核心となる了の謎の転落死が描かれます。彼女が崇拝される存在から一転、事件の真相を追う中で、誰もが疑念を抱くようになります。さやかもその死の裏に隠された真実に迫ろうとします。
第3章: 秘密と嘘
学校内の生徒たちがそれぞれの秘密を抱えながら、事件に巻き込まれていきます。さやかは、了の死に関連する真実を徐々に解き明かしていきますが、彼女自身もまた、大きな葛藤と向き合うことになります。
第4章: 真実の光
最後に明らかになる了の死の真相。意外な事実が浮かび上がり、物語は大きなカタルシスをもって幕を閉じます。才能と嫉妬、そして少女たちの成長が、劇的なラストへと導かれます。
全体を通して
『少女マクベス』は、才能に翻弄される若者たちの青春と、その裏に隠されたダークな感情を描いた作品です。演劇の世界に魅せられた登場人物たちが、嫉妬、羨望、恐怖といった感情に押しつぶされながらも、それぞれの道を歩んでいく姿が印象的です。特にミステリーとしての要素が強く、伏線が緻密に編み込まれた作品です。
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本の評価
4.5/5
レビュー
演劇学校という閉鎖的な世界での嫉妬や欲望が生々しく描かれており、最後まで緊張感が途切れませんでした。
舞台という設定が新鮮で、事件の謎が解けていく過程に引き込まれました。
シェイクスピアの『マクベス』のエッセンスが巧妙に取り入れられ、物語に深みを与えています。
天才少女の死を巡る謎解きがスリリングで、伏線が見事に回収されていく様子に感動しました。
少女たちの嫉妬や自己顕示欲がリアルに描かれていて、読後の余韻が長く残る作品です。