書籍タイトル
霧をはらう
著者
雫井脩介
出版社
幻冬舎
発売日
2021年7月28日
この本の要約
『霧をはらう』は、小児病棟で起こった点滴殺傷事件を題材にしたミステリー小説です。4人の子供たちの点滴にインスリンが混入され、2人が命を落とし、生き残った少女の母親が容疑者として逮捕されます。物的証拠が乏しいまま、母親は取り調べで一度は自白しますが、その後否認。弁護士の伊豆原はこの難解な裁判に挑み、真実を追い求めていきます。物語を通じて、母親が本当に罪を犯したのか、そして人を信じることの難しさや尊さがテーマとして描かれています。
第1章: 点滴殺傷事件
物語は、病院で起きた点滴殺傷事件から始まります。4人の子供たちにインスリンが混入され、2人が命を失います。生き残った少女の母親が逮捕され、物語は大きく動き始めます。
第2章: 弁護士の挑戦
若手弁護士の伊豆原がこの困難な裁判に挑むことになります。裁判の進展とともに、母親の証言が揺らぎ、彼女の動機や真実が明らかになっていきます。弁護の難しさが際立つ章です。
第3章: 真相の探求
弁護士チームが事件の裏側に潜む真実を探りながら、さまざまな証拠や証言を集めていきます。病院の内部で隠されていた情報や関係者の証言が、新たな展開をもたらします。
第4章: 信念の結末
物語は、伊豆原が自身の信念に基づきながら裁判を進め、最終的な結末へと向かいます。事件の真相が明らかになり、母親の無罪が証明されるかどうかが注目されるクライマックスです。
全体を通して
『霧をはらう』は、法廷ミステリーとヒューマンドラマが融合した作品です。事件の背後にある人間の心理や、弁護士が挑む裁判の過程を通じて、正義と信念の意味が問いかけられます。裁判の進行とともに明らかになる真実に、読者はページをめくる手が止まらなくなるでしょう。
商品URL
本の評価
4.2/5
レビュー
複雑な法廷ミステリーとして、読者を引き込む要素がたくさんあり、最後まで緊張感が続きました。
親子の絆や弁護士の葛藤が丁寧に描かれていて、感動的なシーンも多いです。
雫井脩介のリアルな法廷描写が素晴らしく、読み応えのあるミステリーでした。
真実が明らかになる過程で、読者も一緒に推理を楽しめる作品です。
信念を貫く弁護士の姿に共感し、物語全体を通じて考えさせられるテーマが多かったです。