書籍タイトル
自分とか、ないから。教養としての東洋哲学
著者
しんめいP/監修:鎌田東二
出版社
サンクチュアリ出版
発売日
2024年4月23日
この本の要約
『自分とか、ないから。教養としての東洋哲学』は、東洋哲学の偉人たちの思想を現代人に親しみやすく解説する書籍です。ブッダや老子、荘子、親鸞、空海など、東洋思想の巨匠たちの教えを、著者しんめいPのユーモラスな語り口で伝えています。自己探求や生きづらさに苦しむ現代人に向け、哲学を通じた救いの道を提示しています。
第1章: 無我 – ブッダの哲学
この章では、ブッダの教えである「無我」が中心です。自己に固執せず、すべてのものが無常であるという考えに基づき、執着を手放す生き方を紹介しています。ブッダの厳しい自己修行や断食の実践を通じて、「無我」を深く学び、自己を超えた視点で世界を見る力が身につくことが描かれています。
第2章: 空 – 老子・荘子の哲学
「空」や「無為自然」の概念に触れたこの章では、老子と荘子の哲学が紹介されています。物事に逆らわず、自然の流れに身を任せる「道」を追求することで、苦しみから解放される生き方が提案されています。特に荘子の奇抜なエピソードを通じて、人生の不安やプレッシャーを軽減し、より自由に生きる方法が説かれています。
第3章: 禅 – 達磨の哲学
禅の教えを通じて、思考や言葉に囚われない生き方が描かれています。達磨大師の哲学は、静かな内面的な修行を通じて、より深い理解に至るものです。特に禅の基本である「言葉を超える実践」が強調され、瞑想や直感による世界の捉え方が解説されています。
第4章: 他力 – 親鸞の哲学
親鸞の「他力本願」の哲学を中心に、他者や運命に委ねることで、人生を軽くする生き方が説かれます。自己の努力だけに頼らず、他の力を借りることで人生を楽に進めることができると親鸞は説きます。特に挫折や失敗に対する寛容さが、心の平穏につながることが描かれています。
第5章: 欲望と空海の密教
フィジカルモンスターとも称される空海の教えが、欲望を肯定する哲学を提示します。欲望を完全に否定するのではなく、それを自分のエネルギーとして受け入れることで、よりポジティブに生きる道を提案しています。マンダラや密教のシンボルを通じて、生命の肯定的な捉え方が描かれています。
全体を通して
本書は、しんめいPの軽快な語り口で東洋哲学を身近に解説しており、現代社会での生き方に新しい視点を提供します。哲学が単なる思索ではなく、日常生活の中で実践できるツールであることを強調し、読者が気負わずに学べる内容になっています。
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本の評価
4.4/5
レビュー
この本は、ブッダや老子、親鸞といった東洋哲学者の教えを非常にわかりやすく解説しており、哲学初心者でも楽しめます。ブッダの「無我」の教えに感動し、日常生活での執着を手放すことに挑戦しました。
著者のしんめいPの軽妙な語り口が本書を読みやすくし、東洋哲学を身近に感じられます。老子の教えである「無為自然」が特に心に響き、自然の流れに身を任せる生き方に気付かされました。
親鸞の「他力本願」の教えが印象に残りました。頑張りすぎることに疲れていた自分にとって、この教えは救いになりました。自己の努力だけにこだわらず、他の力に頼ることの大切さが深く理解できました。
読むうちに、自分の中の執着を少しずつ手放せる感覚がありました。特に禅の哲学を通じて、思考に囚われず「今」を感じることの重要性が伝わってきました。心が軽くなり、人生の見方が変わりました。
空海の密教の教えには驚かされました。欲望を肯定的に捉える哲学が、自分の中のエネルギーを肯定し、ポジティブに生きる力になることを学びました。哲学が単なる理論ではなく、実践的なものだと感じました。